2026年6月に第37回Fraser’s Hill International Bird Raceが開催されました。
夫の赴任がマレーシアに決まってから、「絶対見に行こう」と心に決めていました。
日程が発表されるとすぐにホテルを予約し、この日を楽しみに予定を立てました。
今回はレース参加者ではなく、見学者として訪れた体験をご紹介します。
これから見学に行ってみたい方はもちろん、いつかバードレースに参加してみたいと考えている方にも役立つ情報をまとめました。

是非最後まで読んでいってくださいね!
Fraser’s Hill International Bird Raceとは?

「Fraser’s Hill International Bird Raceって何?」
そんな方のために、まずは簡単にご紹介します。
マレーシアの首都・クアラルンプールから車で約2時間半。
標高約1,200mの涼しい高原にあるフレイザーズヒルは、かつて英国人の避暑地として開発された、イギリスの田舎町を思わせる美しい場所です。
ここで毎年6月に開催されるのが、
Fraser’s Hill International Bird Race。
24時間以内にチームで何種類の野鳥を見つけられるかを競う、マレーシアで最も歴史あるバードレースです。
競うのはスピードではありません。鳥の知識や観察力、そして鳴き声を聞き分ける耳を駆使して挑む、知的なレースです。
毎年、国内外からプロ・アマを問わず数百人のバードウォッチャーや写真家が集まり、街全体が野鳥一色に染まります。
レースに参加しなくても自由に探鳥を楽しめるほか、カメラメーカーの出展や自然保護団体のブース、ローカルフードの屋台なども並び、観光客でも十分楽しめるイベントです。


基本情報
歴史
1988年にスタート
マレーシアで最初に行われた、
最も歴史ある野鳥観察コンペティション
主催
パハン州観光局(Tourism Pahang)および
地元自治体(Raub District Council/MDR)
環境
国際環境NGO、バードライフ・インターナショナルから*IBAに指定されている世界的な野鳥の聖地。
*IBA (Important Bird Area):重要野鳥生息地
2026年の会期
2026年6月20日(土)~21日(日)
会場
Fraser’s Hill Town Center
スケジュールとイベントの解説

Fraser’s Hill International Bird Raceは、3人1組でチームを結成し、24時間以内に何種類の野鳥を記録できるかを競うバードレースです。
鳥は双眼鏡や望遠鏡で観察したり、鳴き声を聞いたりしながら識別します。
参加者はフレイザーズヒル周辺の森林や道路を歩き回り、限られた時間の中で、できるだけ多くの種類を見つけることを目指します。
2026年は、52チームが参加しました。
参加国
マレーシア、インドネシア、シンガポール、タイ、ベトナム、カンボジア、フィリピン、スリランカ、インド、台湾、香港、日本、オーストラリア、ニュージーランド
アジア・オセアニア各国から、多くのバードウォッチャーが集まる国際的なイベントです。
イベントスケジュール
金曜日
- 参加者が現地に到着
- カメラ・光学機器メーカー(双眼鏡など)や自然保護団体(MNSなど)がブースを設営
土曜日 10:00頃
- バードレース開始
- ここから24時間のカウントダウンがスタート
日曜日 10:00
- バードレース終了
日曜日 14:30〜
- 表彰式・閉会式
※バードレースは、土曜日の午前から日曜日の午前まで、24時間体制で行われます。

イベントスケジュール
3つのレースカテゴリー
大会は、参加者の経験やレベルに応じて3つのカテゴリーに分かれています。
Advanced(上級者部門)
国内外のベテランバーダーが集まる部門です。
24時間で80〜90種以上を記録するチームもいる、ハイレベルな戦いが繰り広げられます。
Novice(一般・初心者部門)
趣味として野鳥観察を楽しむ方が対象のカテゴリーです。
初参加の方でも挑戦しやすく、多くのバーダーがこの部門から参加しています。
Student(学生部門)
学生を対象としたカテゴリーです。
次世代の自然愛好家やバーダーを育てることを目的として設けられています。

チェックポイントでスタンプをもらうレースに参加者
野鳥写真コンテスト(Bird Photo Race)
Fraser’s Hill International Bird Raceの期間中は、個人戦の「Bird Photo Race」も同時開催されます。
大会期間中(土曜日の朝〜日曜日の午前)に、フレイザーズヒルで撮影した写真のみで競うフォトコンテストです。
審査対象となるのは、現地で撮影した無加工のRAWデータ。
不正を防ぐため厳しいルールが設けられており、写真家たちの技術と運が試される真剣勝負です。

チャガシラヤイロチョウを待つバーダー達
@Jln Mager
申し込み費用の目安
バードレースとフォトコンテストは、当日、会場のイベントブースで申し込むことができます。
参加費はカテゴリー(Advanced・Novice・Student)によって異なり、学生部門は格安、または無料に設定されることもあります。
2026年時点のおおよその参加費は、以下のとおりです。
- バードレース:RM60(約2,400円)
- フォトコンテスト:RM100(約4,000円)
※参加費は開催年によって変更される場合があります。
優勝チームだけでなく、上位3チームまで表彰されるため、多くの参加者が優勝を目指して熱い戦いを繰り広げます。

レース参加登録ブース
アクセス・環境情報
- 所在地:パハン州 フレイザーズヒル
- アクセス:クアラルンプールから車で約2時間30分
- 移動手段:車がおすすめ(レンタカーまたはチャーター)
- 駐車場:各所にあり
- 入場料:基本無料
- トイレ:一部あり
- ATM:なし(現金を持参しましょう)
海外探鳥旅行で気になること Q&A
初めてマレーシアを訪れる方の中には、
「治安は大丈夫?」
「山道の運転は難しい?」
「ネットはつながる?」
など、不安を感じる方も多いと思います。
実際に訪れて感じたことを、Q&A形式でまとめました。
アクセス・治安・インフラ
Q. レンタカーで行ける?山道は危ない?
A. 運転に慣れている方なら、レンタカーがおすすめです。
一部カーブの多い区間や道幅が狭い場所はありますが、道路は舗装されており、日本の山道と大きく変わりません。
Q. 治安は大丈夫?
A. フレイザーズヒルは避暑地として親しまれている観光地で、比較的安心して訪れることができます。
クアラルンプール周辺も比較的治安は良好ですが、海外旅行の基本的な防犯対策は心がけましょう。
Q. スマホの電波はつながる?
A. 街中では問題なく利用できますが、山の中では場所によって電波が不安定になります。
ホテルのWi-Fiは利用できますが、トレイルでは圏外になることもあります。
Q. トイレやATMはある?
A. 公衆トイレはありますが、設備はやや古めです。
トイレットペーパーがないこともあるため、ティッシュを持参すると安心です。
ATMはないので、必要な現金は事前に準備しておきましょう。
Q. クレジットカードは使える?
A. ホテルや一部レストランでは利用できますが、小さな食堂や売店では現金のみの場合があります。特にイベント期間中は現金を多めに用意しておくと安心です。
服装・自然環境
Q. 南国だけど上着は必要?
A. 必要です。
日中は暖かくても、朝晩は15〜18℃程度まで気温が下がることがあります。
薄手のフリースやウインドブレーカーがあると快適です。
Q. ヒルや蚊はいる?
A. 行く場所によります。
森林のトレイルに入る場合は、ヒル対策をしておくと安心です。
一方、道路沿いを中心に探鳥する場合は、ヒルに遭遇することはほとんどありません。
蚊は比較的少ないですが、虫よけスプレーは持参すると安心です。
Q. 雨はよく降る?
A. はい。
東南アジアではスコールが珍しくないため、雨具は必携です。
折りたたみ傘に加えて、レインコートもあると安心して探鳥できます。
言葉・食事・買い物
Q. 英語が話せなくても大丈夫?
A. 心配ありません。
簡単な英語でも十分伝わることがほとんどです。
Q. 日本人でも食事は楽しめる?
A. はい。
中華料理のお店が多く、日本人の口にも合いやすいです。
マレーシア名物のナシレマもぜひ一度味わってみてください。
洋食レストランやカフェもあります。
Q. コンビニはある?
A. コンビニチェーンはありませんが、軽食や飲み物、日用品を販売している売店があります。
ただし品揃えは限られるため、必要なものはクアラルンプールなどで事前に購入しておくと安心です。
フレイザーズヒルまでの送迎手配について
海外での探鳥が初めての方や、マレーシアでの運転に不安がある方は、事前に送迎を手配しておくことをおすすめします。
フレイザーズヒルはクアラルンプールから約2時間半離れた山間部にあるため、Grabやタクシーでは配車を断られることがあります。
現地でドライバーを探すこともできますが、確実に移動したい場合は、宿泊ホテルや旅行会社を通じて事前に予約しておくと安心です。
日系旅行会社に依頼する
日本語で相談しながら手配したい方は、日系旅行会社がおすすめです。
JTBやHISなどの大手旅行会社でも、オーダーメイドで車を手配できる場合があります。
また、マレーシアの日系旅行会社では、日本語で相談できるため、海外旅行に慣れていない方でも安心です。
現地のチャータードライバーを利用する
できるだけ費用を抑えたい方は、送迎専門のローカルドライバー会社を利用する方法もあります。
メールや電話で問い合わせができ、日本人バーダーにも利用されている会社があります。
6月に見られる野鳥

チャガシラヤイロチョウ(幼鳥) Rusty-naped Pitta
6月のフレイザーズヒルでは、主に留鳥を観察できます。
渡り鳥はほとんど見られませんが、年によっては越夏個体が確認されることもあります。
一般的に渡り鳥が多く滞在するシーズンは、10〜11月、11〜3月、そして4月頃です。
バードレースでは、上位チームが1日で80種以上を記録することもあり、初心者でも多くの野鳥に出会えるチャンスがあります。
ちなみに私は、スズメやカラス、ハッカチョウなどの身近な鳥も含めて、約30種類を観察することができました。
この時期は、普段高い木の上にいるゴシキドリの仲間が、木の実を食べるために低い位置まで降りてきているのを多く見ることができました。
また、子育てシーズンでもあるので、幼鳥の姿もよく目にしました。
子育ての様子は、5月くらいから目撃情報がありました。

ノドアカゴシキドリ Red-throated Barbet

ゴシキドリ Black-browed Barbet

アカフサゴシキドリ Fire-tufted Barbet
探鳥のコツ
レース期間中は、多くの参加者が鳥のいる場所を探しながら移動しています。
そのため、人が集まっている場所を歩いてみると、鳥に出会える確率が高くなります。
レース初日は、テレコムループなど少し離れたポイントへ向かうチームが多く、終了時間が近づくにつれてイベント会場周辺へ戻ってくる印象でした。
写真撮影が目的なら、フィードステーションも定期的にチェックすると、思わぬ出会いがあるかもしれません。
持ち物リスト

トレイル歩きにあると便利なもの
ヒル対策グッズ
舗装路だけを歩くなら心配ありませんが、Bishop Trailなど森林内のトレイルへ入る場合は、ヒル対策がおすすめです。
特に雨上がりはヒルが多くなります。
- ヒル除けソックス
- ストッキング・タイツ(女性にもおすすめ)
- ヒル除けスプレー
などを準備しておくと安心です。
おすすめのヒル対策用品(飛行機OK)
■予防(寄せ付けない):専用忌避剤
・ヤマビルファイター
・ヒル下がりのジョニー
・スキンベープミスト(唯一の人体用)
■撃退(付いた時):飽和食塩水
ヤマビルがついてしまった場合、一番手っ取り早いのは、水と塩を8:2の割合で混ぜた「濃い塩水」をスプレーすることです。
自宅にある塩と空のスプレーボトルを持参すれば現地で作れます。
折りたたみチェア
フレイザーズヒルでは歩き回るだけでなく、鳥が現れるのをじっと待つ時間も意外と多くあります。
超軽量の折りたたみチェアがあると、とても快適です。
薄手の上着
朝夕は15〜18℃程度まで冷え込むことがあります。
ウインドブレーカーや薄手のフリース、ライトダウンがあると安心です。
行動食・マイボトル
鳥が出ているタイミングで食事のために街へ戻るのは、少しもったいないことも。
エネルギーバーやナッツなどの軽食と、水分を入れたマイボトルを持参すると、探鳥に集中できます。
口に合う好きなスナックを日本から持ってくるのもおすすめです。
雨・霧・結露対策
レインカバー
超望遠レンズを構えて待っている時ほど、突然スコールに降られることがあります。
ゴミ袋でも代用できますが、専用のレインカバーがあると機材を素早く保護できます。
マイクロファイバークロス・シリカゲル
フレイザーズヒルは湿度が高く、レンズが曇りやすい環境です。
吸水性の高いクロスで水滴を拭き取り、撮影後はシリカゲルで機材を乾燥させると安心です。
撮影を快適にするアイテム
一脚・軽量三脚
道路沿いでは手持ち撮影でも十分ですが、森林内は暗く、シャッタースピードが落ちやすくなります。
一脚や軽量三脚があると手ブレを抑えられ、撮影の幅が広がります。
防水ハイキングシューズ
舗装路が中心でも、アップダウンのある坂道を長時間歩きます。
雨や朝露で滑りやすい場所も多いため、防水性とグリップ力のあるハイキングシューズがおすすめです。
まとめ

閉会式の様子
今回は、マレーシア・フレイザーズヒルで開催されるFraser’s Hill International Bird Raceの様子や、見学者として参加して感じたことをご紹介しました。
バードレースと聞くと、「上級者向けのイベント」という印象を持つかもしれません。
しかし実際には、レースに参加しなくても会場の雰囲気を楽しみながら自由に探鳥ができ、世界中から集まったバーダーたちの熱気を間近で感じられる、とても魅力的なイベントでした。
6月は渡り鳥のシーズンではありませんが、それでもフレイザーズヒルには多くの留鳥が生息しており、1日歩くだけでも十分に探鳥を楽しむことができます。
海外での探鳥に不安がある方も、事前に送迎や宿泊を手配し、持ち物を準備しておけば安心して訪れることができるでしょう。
野鳥観察が好きな方はもちろん、自然の中で特別な時間を過ごしたい方にもおすすめしたいイベントです。
来年以降、6月にマレーシアを訪れる予定があれば、ぜひFraser’s Hill International Bird Raceを旅の目的のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
きっと、世界中のバーダーと同じ景色を眺めながら、忘れられない探鳥体験ができるはずです。

綺麗な鳥にたくさん出会えますように!
最後までご覧いただきありがとうございました。


