9月から2月までシンガポールは、雨季になります。この時期は、渡鳥の中継地となるシンガポールに、日本でもお馴染みの野鳥がやって来ます。もちろん、日本では見れない鳥も飛来します。
今回は、ジュロン・レイク・ガーデンズで見ることができる渡鳥を記事にまとめました。
ジュロン・レイク・ガーデンズに飛来する野鳥
1.ヤイロチョウ – Pitta
・ミナミヤイロチョウ – Blue-winged Pitta
見てみたい野鳥のひとつに、このミナミヤイロチョウは入るのではないでしょうか。
2021年から3年連続でジュロン・レイク・ガーデンズで見ることができました。(2022年と2023年は同じ場所)
2024年も来てくれることを期待したいです。
見れた場所はAlstonia Island & Freshwater Swamp Forestに入って右手に藪の辺りです。
・マングローブヤイロチョウ※ – Mangrove Pitta
※当ブログではBlue-winged Pittaと区別するためマングローブヤイロチョウとしています。
マングローブヤイロチョウは、シンガポールの離島、ウビン島・テコン島・セマカウ島には留鳥として繁殖しているそうですが、あまり気軽に行ける場所ではありません。
本島ではごくたまに見れる機会があり、運よくジュロン・レイク・ガーデンズに幼鳥が来て、しばらく滞在していました。残念ながらもういませんが、また来る可能性もゼロではないので期待したいところです。
どうしても見てみたい方は、ウビン島が探鳥には向いていますので、出かけるのも楽しいと思います。
※テコン島は、一般の人は入れません。
下の写真は、以前別の場所で撮影した成鳥のマングローブヤイロチョウです。ミナミヤイロチョウより大きくて、くちばしがかなりしっかりしています。
2.ヒタキ科 – Flycatcher
ジュロン・レイク・ガーデンズには、フライキャッチャーエリア、カッコウエリアと呼ばれる場所があり、それらの場所でヒタキやトケン類が見られることが多いです。
下記、地図のピンの辺りがバンブーエリアと呼ばれる場所なのですが、ここにヒタキが集まることもあって、ローカルバーダーからはフライキャッチャーエリアと言われています。
・マミジロキビタキ – Yellow-rumped Flycatcher
[写真上]マミジロキビタキ 雄
日本では、キビタキが夏鳥として飛来し、繁殖をしますが、シンガポールにはマミジロキビタキがやって来ます。繁殖はしません。8月下旬から徐々に見られ、ピークは10月、次に繁殖地に向けて渡りが始まる3月から4月に見られます。
[写真上]マミジロキビタキ 雌
・ムナオビミツリンヒタキ – Brown-chested Jungle Flycatcher
ムナオビミツリンヒタキは、森林伐採と農地転換のため、越冬地と繁殖地が破壊され、個体数が減少し、絶滅の危険性が高いとされています。※IUCN Red List Vulnerable(危急種/ききゅうしゅ)
シンガポールには毎年飛来するようで、観察することができます。
・アムールパラダイスサンコウチョウ – Amur Paradise Flycatcher
シンガポールでサンコウチョウというと、アムールパラダイスサンコウチョウです。アイリングが小さいです。
このサンコウチョウは、毎年9月頃飛来し、10月から11月中旬くらいまでよく見られます。
3月、4月頃は、立ち寄りで尾の長い雄が見れることもありますが、 “ワンデーバード” と言われ、1日で移動してしまうようです。
・ミヤマヒタキ – Ferruginous Flycatcher
ミヤマヒタキは、ローカルバーダーから “アイアンボーイ/Iron boy” と呼ばれ、その見た目の可愛さからとても人気があります。ジュロン・レイク・ガーデンズでは、長い期間はいませんが、毎年飛来しているようです。
・ミナミコサメビタキ – Brown-streaked Flycatcher
ミナミコサメビタキは、毎年9月初旬に飛来する、渡鳥の中でも早く到着する鳥です。この鳥とは縁がなく、見たことはあるのですが、写真を撮ったことはありません。コサメビタキによく似ています。
Birds of Singaporeで画像が確認できます。
・コサメビタキ – Asian Brown Flycatcher
日本でもお馴染みですね。シンガポールでも、個体数が多くよく目にします。よく地鳴きをしているので見つけやすいのでは?
3.トケン類 – Cuckoo
次に、カッコウエリアで見れるカッコウのご紹介です。
カッコウエリアは、レイクサイド・ガーデンの南側にあります。背の高い大きな木にいる毛虫を食べにカッコウが好んでやって来ます。
時期によっては、別の場所に多く集まることもあります。レイク沿いの大きなガジュマルの木に毛虫がたくさんいるようなので要チェックです。
・セグロカッコウ – Indian Cuckoo / Short-winged Cuckoo
毎年飛来するセグロカッコウ。見れる確率は高いですが、高い木の枝や葉が密集しているところで採餌をするので、撮影は意外と難しいです。運よく低めの場所に降りてきて、休憩してくれるところに遭遇できるのを期待したいです。
・カンムリカッコウ – Chestnut-winged Cuckoo
カンムリカッコウは、見た目も可愛く個性的な容姿をしています。地元バーダーにも人気です。
2024年12月に3羽確認できました。
・インドシナジュウイチ – Hodgson’s Hawk-Cuckoo
日本では、ジュウイチがお馴染みのようですが、シンガポールではインドシナジュウイチが見れます。個体数は多くないようですが、毎年飛来しているようです。
・オウチュウカッコウ – Square-tailed Drongo-Cuckoo
オオチュウカッコウは、留鳥と渡鳥と両方いるようです。12月下旬からよく見られるようになり、6月くらいまでは見れる回数が多いようです。
・ミドリテリカッコウ – Asian Emerald Cuckoo
2021年12月に、ミドリテリカッコウがジュロン・レイク・ガーデンズで観察されました。この時は、沢山のバーダーが集まりました。私も訪問したのですが、当時のレンズがSONY OSS SEL70350Gで、証拠写真しか撮れなかったのが悔やまれます。それがきっかけでレンズを買い換えました。
・オオジュウイチ – Large Hawk-Cuckoo
オオジュウイチも、個体数は少ないながらも毎年飛来しているようです。私はまだ見たことがないので、シンガポールにいる間に写真におさめたいです。
4.その他の渡鳥
・リュウキュウヨシゴイ – Cinnamon Bittern
日本では、奄美諸島や沖縄には生息しているそうですね。シンガポールでは、留鳥、渡鳥がいるようです。個体数が少なく、あまり見かけることはありません。
・ヨシゴイ – Yellow Bittern
ヨシゴイは、夏鳥として日本でも蓮池などで見ることができますね。こちらも渡りの時期はよく見かけます。
・タカサゴクロサギ – Black Bittern
水辺では、サギやヨシゴイなどが見られます。タカサゴクロサギは残念ながら写真が撮れませんでした。
・オオヨシゴイ – Von Schrenck’s Bittern
レアな渡鳥とされていますが、幼鳥は何度か見たことがあります。
・アカモズ – Brown Shrike
アカモズも、水辺を好むようで、湖に近い開けたところで目にします。
・ハリオハチクイ – Blue-tailed Bee-eater
ハチクイは、上空をヒュンヒュン鳴きながら飛び、木の高い場所から獲物を捕まえに飛んでいます。
・カワセミ – Common Kingfisher
シンガポールでは渡り鳥のカワセミ。いちばんよく見られるのは、チャイニーズガーデンの蓮池です。
正直、カワセミは日本で撮る方がいいですね。
・ミツユビカワセミ – Black-backed Dwarf Kingfisher
ミツユビカワセミは、ごく稀に見つける方がいます。ですが、自力で見つけるのは難しいです。
5.まとめ
ジュロン・レイク・ガーデンズでは、留鳥、渡鳥を含めると結構たくさん鳥を見ることができます。もちろん、短期間ではこんなにたくさんの野鳥を見ることはできませんが、長期滞在ができる方は、何度か足を運ぶと色んな出会いがあるはずです。2回に分けてご紹介した鳥の他にも、まだまだ見れる可能性はあります。
シンガポールに来た際には、是非この素敵な公園で楽しい時間を過ごしてください。
当ブログが皆様のお役に立つと幸いです。