野鳥に興味がない方も、カワセミという鳥の名前はご存じなのでは?
野鳥撮影を始めたきっかけが、カワセミという方も多いはず。それぐらい人々を魅了してやまない、宝石のように美しいカワセミの仲間は、世界に118-119種類いると言われています。
国の大きさが、東京23区ほどの面積のシンガポールでは、8種類のカワセミが見られます。
鳥密度的に高いのでは、なんて思ったりもします。
今回は、これらのカワセミたちが何時、どんな場所で見られるのか種類別にまとめました。
シンガポールでの探鳥旅行を考えている方や、在住者で野鳥や自然に興味がある方の参考になるような内容となっておりますので、是非最後までお読みくださいね!

お目当てのカワセミを探しに行ってみよう!
1.ルリカワセミ|Blue-eared Kingfisher[留鳥]

シンガポールでは留鳥のルリカワセミ。
深く鮮やかな瑠璃紺の羽は、太陽の光に照らされたとき、この上なく美しいです。
暗い場所を好む鳥なので、日の当たる場所で見れたらラッキーです。
ルリカワセミが観察された場所

デイリーファームネイチャーパーク|Dairy Farm Nature Park
公園にある、小さな池がルリカワセミの生息地です。

池はこんな感じ
カワセミは、繁殖期になると、メスの縄張りにオスが訪ねて行って求愛行動をするのですが、この池は、繁殖地でもあるため、普段はメスが暮らしているようです。
3月中旬頃になると、給餌求愛が始まります。この時期が一番見やすいかもしれません。
繁殖が上手くいけば、7月頃、子育ても見れるかも!
2週間ほど観察をしたのですが、給餌求愛の時期は、40分から1時間おきくらいにオスが大きな魚をくわえて戻って来ました。午後になると、休憩のため動きは減りますが、水浴びの様子などが近くで見れました。
ヒンドヘット採石場|Hindhede Quarry
2022年の6月、私が初めてルリカワセミを見たのはこの場所でした。
その以前も、以後も、定期的にメスがここで観察されているので、テリトリーなのでしょう。
2025年にもこの場所で観察されています。
ウィンザーネイチャーパーク|Windsor Nature Park

ウィンザーネイチャーパークも、ルリカワセミの繁殖地です。
水場が多いので、見られる場所が分散されています。
Public Toilet & Water cooler周辺の小川や、Hanguana Trail入り口付近からSquirrel Trail手前の水辺がテリトリーです。Venus Loop周辺でも見られています。
ジュロンエコガーデン|Jurong Eco-Garden

陶器のお店の裏手に池があり、そこで、飛び込んで魚を捕っている姿が見られています。
工事のため一時入れなくなっていましたが、現在は入れるようです。
2025年8月にルリカワセミの姿が観察されました。
ルリカワセミが生息するその他の場所
●Dairy Farm Nature Park
●Lower Peirce Trail
●Sungei Buloh Wetland Reserve
●Singapore Botanic Gardens
2.カワセミ|Common Kingfisher

日本ではおなじみのカワセミは、シンガポールでは、実は渡鳥。
カワセミが飛来すると、皆さん写真撮影に出掛けます。
カワセミは、8月末くらいから3月末まで見ることができます。
カワセミが観察された場所

ガーデンズバイザベイ|Gardens by the Bay
いちばんよく見られる場所は、フローラルファンタジーのチケット売り場近くにある小さな池とその周辺の池です。ほぼ、毎年ここにやって来ます。
ジュロンレイクガーデンズ|Jurong Lake Gardens

シンガポールのカワセミは若い個体が多い
チャイニーズガーデンの蓮池にやって来ます。その他、池や川がある場所でよく見かけます。
ビシャンアンモキオパーク|Bishan-Ang Mo Kio Park
Lotus Gardenの池や、その周辺のカラン川沿いでよく見られます。
3.ミツユビカワセミ|Oriental Dwarf Kingfisher

宝石を散りばめたような豪華な色彩をもつミツユビカワセミ。
シンガポールでには、毎年10月頃渡って来ます。
とても小さいカワセミで、暗い場所にいるため、見つけるのはなかなか難しいです。
運が良ければ、近くで見れることもあるので、あきらめず探してみましょう。

観察された場所にバーダーさんがいたら遠慮なく聞いてみましょう!
ミツユビカワセミが観察された場所

ウィンザーネイチャーパーク|Windsor Nature Park
地元の方によると、毎年この公園のどこかにはやって来るとのことでした。
2022、2023年は、長い期間、ウィンザーネイチャーパークに滞在していたので、多くのバーダーが集まりました。結構近いところで撮影できることもありました。
シンガポール植物園|Singapore Botanic Gardens
2023、2024年は、Ethnobotany Gardenの周りで観察されました。

ローワーパーストレイル|Lower Peirce Trail
2024年、ローワーパーストレイルでミツユビカワセミが観察されました。

4.ナンヨウショウビン|Collared Kingfisher[留鳥]

ナンヨウショウビンは、東南アジアではよく目にするカワセミの仲間です。
シンガポールでは、公園だけでなく、住宅地や街の緑地でも見ることができます。
“ウヒャッヒャッヒャッヒャッ”と、高い笑い声のような独特な鳴き声が響きます。
ナンヨウショウビンが観察された場所

ナンヨウショウビンは、どこの公園にも生息していますが、海や川の近くで見られることが多いです。デイリーファームネイチャーパークのような森の中では、あまり見られません。ここでは、ナンヨウショウビンが比較的多く見られ、他の野鳥も観察できる公園をメインにご紹介します。
パシルリスパーク|Pasir Ris Park
パシルリスパークは、マングローブトレイルを歩いているだけで、ナンヨウショウビンを見ることができます。
ジュロンレイクガーデンズ|Jurong Lake Gardens
レイク沿いにいることが多いですが、その他の場所でも見られます。
ガーデンズバイザベイ|Gardens by the Bay
観光地でも有名なガーデンズバイザベイですが、一般的な野鳥は多く生息していて、ナンヨウショウビンは見つけやすいです。
スンゲイブロウ湿地保護区|Sungei Buloh Wetland Reserve
多種多様な鳥類や生物が生息するスンゲイブロウでは、ナンヨウショウビンをたくさん見ることができます。かなり郊外にはなりますが、余裕がある方は、じっくりと散策することをおすすめします。
スンゲイブロウ湿地保護区へは、渡鳥も飛来する、雨季がおすすめです。
5.アオショウビン|White-throated Kingfisher[留鳥]

アオショウビンは、東南アジアでは一般的なカワセミの仲間です。
森林から都市部まで広く生息するアオショウビン。水辺から離れた場所にも生息していて、低めの枝などの上から獲物を狙い、カエル、カニ、カタツムリやトカゲを捕えます。
シンガポールでは、ナンヨウショウビン同様、いろんな場所で見られる一般的な野鳥です。
また、さえずりがアカショウビンと同じなので、鳴き声に耳を傾けると見つけることができます。
アオショウビンが観察された場所

シンガポール植物園|Singapore Botanic Gardens
ボタニックガーデンでは、エコレイクなど、○○レイクと呼ばれる水辺で見られることが多いです。
ジュロンレイクガーデンズ|Jurong Lake Gardens
ジュロンレイクガーデンズでは、レイク周辺の平地で獲物を狙う姿がよく見られます。
ビシャンアンモキオパーク|Bishan-Ang Mo Kio Park
ビシャンアンモキオパークは、ローカル感が強いエリアなので、観光や海外遠征であまり行くことはないですが、アオショウビンはもちろん、カワセミ、ナンヨウショウビン、コウハシショウビンも生息する公園です。鷺のコロニーが近くで見れたり、水鳥が多く生息する公園でもあります。
MRT : Thomson–East Coast Line(TE)
Bright Hill 駅(TE7)で下車するとすぐ公園に入れます。

まだ幼いアオショウビン
アオショウビンは、川の擁壁にある水抜き穴に営巣することが多いです。
日本の都市部のカワセミのようですね。
6.コウハシショウビン|Stork-billed Kingfisher[留鳥]

大きく真っ赤なくちばしが特徴的なコウハシショウビンは、ナンヨウショウビンやアオショウビンより生息場所は限定されます。一方で、縄張りがはっきりしているので、同じ場所で何度も見かけることが多いです。
コウハシショウビンが観察された場所

シンガポール植物園|Singapore Botanic Gardens
エコレイク、シンフォニーレイク、ジンジャーガーデンそばの池、ラーニングフォレスト周辺のレイクなど、水辺で見かけることが多いです。
特に、ジンジャーガーデンの池では、休憩している姿がよく見られています。
パシルリスパーク|Pasir Ris Park
パシルリスパークパークでコウハシショウビンを見るなら、Pasir Ris Park Bridgeが一番有名です。
シンガポール採石場|Singapore Quarry
この場所では、コウハシショウビンとウオクイワシの飛び込みが有名です。
7.アカショウビン|Ruddy Kingfisher

日本では夏鳥のアカショウビン。とても人気ですよね。
シンガポールでは、亜種の琉球アカショウビンが10月以降にやって来ます。
毎年、渡ってくるようですが、場所が特定されていません。そんな中でも、何度か観察された場所ををご紹介します。
アカショウビンが観察された場所

ビダダリパーク|Bidadari Park
ビダダリパークは、2025年にリニューアルオープンした公園です。
以前からアカショウビンがしばらく過ごしていく公園として知られています。

ビダダリパークは小さな公園ですが、ヤイロチョウやヒタキ科、カワセミの仲間など、色んな種類の野鳥が観察される公園です。
バーレイヤークリークボードウォーク|Berlayer Creek Boardwalk
シンガポールの港湾にほど近い場所に、マングローブが残っています。
近くには、高級コンドミニアムがあったりと、自然と都市の融合を感じる場所です。
ここでアカショウビンが観察されました。
バーレイヤークリークボードウォークや周辺のラブラドール自然保護区では、3月末から4月初旬に、尾の長い白いカワリサンコウチョウやマミジロキビタキなどが渡りの立ち寄りで飛来します。
8.ヤマショウビン|Black-capped Kingfisher
シンガポールでは、渡鳥のヤマショウビン。
毎年、観察はされるものの、不便な場所だったり、現れる時間が短かったり、滞在期間が短いためなかなか見ることが難しい鳥です。

残念ながら私もまだ見たことがありません…
シンガポールにいる間に見れたらとてもラッキーだと思います。
ヤマショウビンが観察された場所
シンガポールの野鳥サイトにヤマショウビンが見られた場所が載っています。
参考にしてみてください。

まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、シンガポールで見れるカワセミの仲間についてまとめてみました。
シンガポールは、都市部にも大きな公園や、緑地があるので、野鳥を見つけやすい環境ではあります。
その年によって見れる場所は変わってしまうこともありますが、飛来した場所を見ることで、その鳥がどんな環境を好むかが分かり、次に野鳥を探すヒントにもなります。
野鳥を探すのは本当に大変で、一日中歩いたのに全然鳥が見れなかったなんてこともよくあります。
遠征先、ましてや海外となるとそれは避けたいですよね。
今回の記事が、少しでもお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
シンガポールで綺麗なカワセミたくさん見れるといいですね!
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