日本で留鳥のカワセミは、シンガポールでは渡り鳥です。一方で、今回ご紹介するルリカワセミは留鳥で、近年少しずつ個体数が増えつつあり、色んな場所で観察できるようになってきました。運が良いと、かなりの至近距離で見れることもあるので、是非探しに出掛けて見てください。
輝く瑠璃色が美しい – ルリカワセミ
1.ルリカワセミについて
東南アジアに広く生息するルリカワセミは、シンガポールでも繁殖しています。ここ数年、カップルが繁殖行動をするのを目撃されていたり、幼いルリカワセミが狩りをする姿が目撃されています。普通のカワセミとほぼ同じ見た目ですが、羽の色が濃く、まさに瑠璃色で奇麗な色をしています。鳴き声も、行動も同じで、池や沼、川にいる小魚や甲殻類、トンボの幼虫、昆虫のなどを食べます。
分類・種名
目: ブッポウソウ目
科: カワセミ科
属: カワセミ属
和名: ルリカワセミ
英名: Blue-eared Kingfisher
学名: Alcedo meninting
サイズ: 15.5-16.5 cm
★シンガポールの野鳥情報は、こちらのサイトがおすすめです!
https://singaporebirds.com/species/blue-eared-kingfisher/
2.ルリカワセミが見れる場所
Jurong Eco-Garden / ジュロン・エコガーデン
近年、一番よく見れるのはJurong Eco-Gardenです。朝と夕方、狩りをする姿を、多くのバーダー達が狙って待ち構えています。私が行ったときは、11時過ぎに数回ダイブしてあとは暗い藪の中に引っ込んでしまいました。(2022-2023年)
Thow Kwang Pottery Jungleという陶器を売っているお店の裏が池になっていて、その周りに生息しています。
最寄りのバス停からは、Aquaporin Asia Pte. Ltd.など、テクノロジー関連の企業がある敷地内を通っていくことができます。
Windsor Nature Park / ウィンザー自然公園
繁殖活動が何度か目撃され、幼いルリカワセミも見られているので、この公園内のどこかに営巣していると思われます。
Hanguana TrailとSquirrel Trailの間でよく目撃されています。この公園は、カワセミの中でも最小種のミツユビカワセミも飛来してきます。様々なレアな鳥が見られていますが、背の高い木々が覆いかぶさるように影を作っているため、とても暗いです。野鳥撮影をする方は、三脚が必須です。
Dairy Farm Nature Park / デイリーファーム自然公園
Dairy Farm Nature Parkでは、Forest Walkから、Dairy Farm Open Carpark Bに向かう途中にある、コンクリートの休憩所の片隅の小さな池に生息しています。通常は奥のほうにいて、あまり見れることはありません。ただ、突然目の前の木にとまり、かなりの至近距離で見ることもできるので、時間の余裕があるときは待ってみるのもいいかもしれません。
Pasir Ris Park / パシル・リス・パーク
新たにルリカワセミの狩場となったのは、Pasir Ris Park Carpark Bにほど近い、Kingfisher Pond / キングフィッシャー・ポンドです。休憩中は、暗がりに引っ込んでしまいますが、狩りをするときは、明るいところに出てくるので、撮影、観察共にしやすいところです。コンパクトな池なので、近くで見ることもできます。
Hindhede Quarry Look Out Point / ヒンデヘデ・クウォリー・ルックアウトポイント
以前は、Bukit Timah Nature Reserve / ブキ・ティマ自然保護区の中にある、Hindhede Nature Park の Hindhede Quarry Look Out Pointから狩りをする姿や、休憩する姿が見られたのですが、工事などで人の手が入ってしまい、目撃情報があまりありません。もしかしたら、生息場所を変えてしまったかもしれません。(2023年)
3.ルリカワセミの見つけ方
ルリカワセミは、普段は暗い場所に身を潜めているので、動きがないと見つけるのは難しいです。明るいところだと鮮やかな瑠璃色も、ひとたび暗い場所になると、保護色と化してしまいます。ただ、普通のカワセミと同じように、池や、沼の小魚や小海老を食べるので、そういった場所で待つとよいでしょう。飛ぶ瞬間は、キッキッとなくことが多いので鳴き声を覚えると見つけやすいです。是非、動画で可愛らしい鳴き声を聞いてみてください。