シンガポールでは、4種類のヤイロチョウを観察することができます。そのうちの1種は、日本で繁殖する八色鳥で、この種は超レアですが、残りの3種類は時期によっては比較的簡単に見ることができます。
今回は、私の一押しヤイロチョウ、ズグロヤイロチョウをご紹介させていただきますので、ぜひ最後までご覧ください。
毎年見れるチャンスがある八色鳥 – ズグロヤイロチョウ
1.ズグロヤイロチョウが観察できる時期
シンガポールに渡鳥がやってくる時期は、雨季の9月から2月後半までで、ズグロヤイロチョウは、大体10月後半から5月初旬までここで過ごしていくようです。私が野鳥観察を始めたのは、2021年ですが、今のところ毎シーズンかなりの至近距離で見ることができています。
2.ズグロヤイロチョウについて
ズグロヤイロチョウは、インド北部から中国南部、東南アジアに生息し、一部の個体群はインドシナ、タイ、マレー半島、スマトラ島、ジャワ島で越冬します。東南アジアでは、割とよく見られる鳥のようで、ネットで検索してみると、タイやマレーシアに探鳥旅行されている多くの方が撮影されています。私が今住んでいるシンガポールにも、個体数はそこまで多くないものの、毎シーズン数羽の個体を見ることができます。
日本では、1984年に沖縄県の石垣島で観察記録があるのみですね。その後死んでしまったようですが…悲しいですね。
分類・種名
目: スズメ目
科: ヤイロチョウ科
属: ヤイロチョウ属
和名: ズグロヤイロチョウ
英名: Western Hooded Pitta
学名: Pitta sordida
サイズ: 16.5-19 cm
こちらのサイトで鳴き声が聞けます。
★シンガポールの野鳥情報は、こちらのサイトがおすすめです!
3.ズグロヤイロチョウが観察できた場所と探し方
リラックスして膨らむ様子 2024年4月撮影
初めてズグロヤイロチョウを見たのは、2021年12月でした。場所は、Tampinesという地域のとある*HDBの敷地内でした。シンガポールは、野鳥情報に関して非常にオープンで、みんなが気持ちよく情報開示してくれます。
*HDBとはHousing & Development Boardの略で、住宅開発庁が管轄する公営住宅シンガポール人の80%以上がこのHDBに住んでいます。住人以外でも自由に出入りできます。
翌シーズンは、2023年1月でした。この時も、Jurong East という場所のHDBの一角に飛来してきました。シンガポールでは、野鳥の餌付けや捕獲は違法で、罰金対象ですが、バーダーではない地元の方が良かれと思って餌箱のようなものを置いていました。実際、そこからお水を飲むズグロヤイロチョウの姿を見て複雑な気持ちになりましたが、外国人の立場からは何も言えません。
そしてこのブログを書いている、今のシーズンでは複数の場所での目撃情報がありました。
2023年11月、12月にシンガポールボタニックガーデンで、違う個体が見られたようです。そのうち一羽は、フレグラントガーデン内で撮影することができました。その後、2024年4月に同じくシンガポールボタニックガーデンのエコレイク周辺で見ることができました。訪問はできなかったのですが、ブキ・ティマ自然保護区にあるHindhede Nature Parkでも目撃されていました。
毎シーズン、色んな所で見られているズグロヤイロチョウ。自力で探すのはなかなか難しいけれど、確率を上げるならボタニックガーデンの暗い場所に植えられているヤシの木の根元を注意してみてみるといいかもしれません。好みの食べ物があるようで、よくそのあたりをウロウロしています。あとは、バーダーを見つけて気軽に話しかけてみるのが一番いいです。皆さん本当に親切に見れる鳥や場所を教えてくださいます。
4.まとめ
大あくびをする 2023年1月撮影
今回は、渡りの時期に見れる鳥、ズグロヤイロチョウについて記事にしました。日本では見ることのできない美しい色をしたヤイロチョウ。しかも、フレンドリーな個体が多く、近くで思う存分見ることもできるとなると探しに行かない理由はないですよね。普段バードウォッチングをしない方にも、その見た目の可愛さで人気があります。10月後半から5月初旬と長い期間留まってくれるので見れるチャンスはあるはずです。