バリ島に行くのは3回目ですが、野鳥観察をするのは初めてです。
バリ島で野鳥観察をするなら、西側の国立公園が適しているようでしたので、2024年12月末にThe Menjangan Monsoon Lodgeに2日間滞在しました。
私が行った12月末は雨季でしたが、幸いお天気に恵まれ、沢山歩き回ることができました。
野鳥目撃情報が少なく、私もどのように探鳥をすればよいか悩みました。
リゾート内の様子や、過ごし方、行ってみたからこそ分かったことなどをまとめましたので、参考になると幸いです。
The Menjangan ネイチャーリゾートで探鳥

バリ島だけに生息する絶滅危惧種の野鳥
カンムリシロムク – Bali Myna

西部国立公園に来たら、是非見ておくべき野鳥、カンムリシロムク。
白い羽根がとても美しく、マスクの青も綺麗です。
雄は、雌に比べて冠羽が長く立派です。
西部国立公園と、リゾート内に保護センターがあります。
もちろん野生のカンムリシロムクも生息しています。
今回私は、野生のカンムリシロムクの家族を偶然発見し、子育ての様子を観察することができました。



カンムリシロムクは、バリ島西部国立公園とペニダ島にのみ生息しています。
この鳥は、乱獲により、1990年代初頭から絶滅の危機に瀕しています。そのため、インドネシアの違法野生動物取引から法律で保護されている、絶滅危惧種の鳥類の1つです。
特に、国立公園財団は、島でこの種を復活させようと、飼育した鳥を野生に放つために懸命に努力し、地元コミュニティの支援を受け、保護をしようとしています。
2024年時点では、野生のカンムリシロムクは、推定100羽から数百羽に増えたとのこと。
しかし、個体数は増えつつあるものの、密猟者や保護についての理解が不十分な方たちの影響で、なかなか上手くいってない現実もあるようです。

カンムリシロムクが見れたのは、泊った宿からタワーに向かう道沿いです。
早朝は、高い木の上で採餌をしていましたが、日が高くなるにつれて、割と低めの木にとまりながら移動していました。
夕方は、タワーの最上階から数羽の群れが飛んでいるのを見ました。
カンムリシロムクは、木の穴に営巣します。11月から4月が繁殖期です。
これはあくまでも私の予想ですが、ムネアカゴシキドリや他のキツツキが以前子育てで使った木の穴を再利用しているようでした。
林の中で見れた野鳥
ムネアカゴシキドリ – Coppersmith Barbet


東南アジアではよく見られるムネアカゴシキドリ。
シンガポールにも留鳥として生息しています。インドネシアに生息しているのは、顔の赤い亜種です。
リゾート内にはたくさんいて、あちこちで鳴き声が聞こえました。心電図の音のような独特な鳴き声で、一定のリズムを刻んでいました。

ペアで巣作りをしているシーンが見れました。見張りは夫。
ハグロヒタキサンショウクイ – Black-winged Flycatcher-shrike


東南アジアに広く分布する、ハグロヒタキサンショウクイ。
コサンショウクイと混群を作っていました。
シンガポールにも、ごく稀にやって来ることがあります。
コサンショウクイ – Small minivet
今回は空抜け、枝被りの写真しか撮れませんでしたので、画像お借りしています。
オレンジ色がとても綺麗なサンショウクイです。
何羽かペアでいました。羽の色がとても鮮やかで可愛い鳥です。
いつか綺麗に撮ってみたいです。
キマユシマヤイロチョウ – Javan Banded Pitta ※見れなかったけど生息しています。
キマユシマヤイロチョウは、見れたら嬉しいな、程度であまり期待はしていませんでした。
探鳥中にガイドさんが鳴き声が聞こえた!と探し周ってくれましたが、残念ながら見れませんでした。
リゾート内に生息しているそうなので、運のいい方は出会いがあるかも。
どうしても見たい方は、ハイドを作っている別の場所があるようなので、ツアーに申し込むといいかもしれません。
ビーチで見れた野鳥
ヒメアオカワセミ – Cerulean Kingfisher/Small Blue Kingfisher
探鳥初日は、ガイドさんにお願いし、ヒメアオカワセミの見れる場所に連れて行ってもらいました。ビーチサイドまでは距離があるので、途中でサファリバスを利用しました。
ガイドさんがスピーカーで鳴き声を鳴らすと、どこからか飛んでやって来ました。
マングローブの中を行ったり来たりするヒメアオカワセミを2羽見ることができました。ただ、遠すぎて証拠写真のみ。
ガイドさんは、何とか撮影できるようにと無料でカヤックを借りてきてくれて、ポイントまで漕いでくれましたが、結局撮影できずじまいでした。


自力で探鳥される方は、ビーチ沿いのマングローブの中を探してみてください。

ヒガシオオコノハズク – Collared Scops Owl

シンガポールにも生息しているコノハズク。ビーチのマングローブの中に番でいましたが、双眼鏡で見ても見つけられず、ガイドさんが撮ってくれました。
鮮明ではないですが、撮ってくれたガイドさんに感謝の気持ちを込めて…

一生懸命場所を確認するガイドさん。
その他の野鳥
写真は撮ってませんが、下記野鳥も観察できました。
ナンヨウショウビン – Collared Kingfisher
メグロヒヨドリ – Yellow-vented Bulbul
ヒメコノハドリ – Common Iora
キバラタイヨウチョウ – Ornate Sunbird
ムナオビオウギビタキ – Malaysian Pied Fantail
ササゴイ – Striated heron
シジュウカラ – Oriental Tit
オウチュウカッコウ – Square-tailed Drongo-Cuckoo
チャガシラハチクイ – Chestnut-headed bee-eater
日本から行かれる方、初めて東南アジアに行かれる方は是非探してみてください。
The Menjangan by LifestyleRetreatsについて

The Menjangan by LifestyleRetreatsへは、ングラ・ライ(デンパサール)国際空港から車で約4時間。
通常がどのようなルートなのか分かりませんが、私が行った時期は、倒木のため山側が通行止めになっていたので、南側の海沿い経由で行きました。途中トイレ休憩をしつつ向かいましたので、5時間くらいかかりました。
以前、バリ島に来た時にカーチャーターをお願いした、”大好きバリ!!”さんに今回もお願いしました。前回と同じドライバーさんだったのですが、この方が運転がとても上手なのです。日本語も少し話せるので安心です。
ムンジャンガンはダイビングで有名なんですね!
ヌサドゥア地区に”The Bale”、スミニャック地区に”The Amala”と、バリ島内でも有名なヴィラを展開するライフスタイル・リトリートが新たにムンジャンガン地区に”The Menjangan”を2010年11月1日にオープンさせました。このThe Menjanganは、空港から車で3時間はかかる奥地のバリ島西部国立公園内にある唯一のホテルです。世界有数のダイビング&シュノーケリングスポットとして有名な無人島”ムンジャンガン島”までボートで20分。ホテルは、それぞれ離れたコテージタイプ。敷地が広いので移動にはサファリバスを利用します。ムンジャンガンのシンボルタワーともなるバリタワーは木造の5階建て。上層部のレストランからは、西部の大自然とその向こうに広がる大海原が見えます。これはムンジャンガンでなければ見れない絶景です。最上階からは、天気が良ければジャワ島を見ることもできます。ムンジャンガンでの朝食は、大自然を眺めながらのアラカルトメニュー。お好きなものをお好きなだけお選びいただけるうれしいスタイルです。ホテル敷地の中では、運がよければ野生のシカに出会うことも。ムンジャンガンでは、南部エリアではできない貴重な体験がたくさんできます。いつものバリ島に飽きてしまった方、本物のダイビングを求める方におススメのホテルです。
~バリ王さんHP引用~


リゾート内では、乗馬やカヤック、サイクリングも楽しめるようです。
The Menjangan Monsoon Lodgeに宿泊

The Menjangan Monsoon Lodgeは、The Menjangan by LifestyleRetreats内にあるロッジタイプのお宿です。
お部屋はとても広く清潔でした。
日中は、お部屋でのんびり快適に過ごしました。
自然の中にあるので、虫やヤモリとはお友達です。
蚊取り線香や、虫よけはお部屋に置いてありましたので、自由に使えます。
ベッドには、レースの蚊帳がかかっていて、夜も安心して眠れました。

目の前には、こじんまりとした綺麗なプールがあります。
レセプションがある、タワーから歩いて10分くらいでした。もちろん、無料のサファリバスも利用できます。

西側でしか見れない絶景スポット
行き帰りの道中、こんな素敵な景色を見ることができました。
ここは、観光地ではないので、地元の方のみ。
これならロングドライブも楽しいです。ちなみにライスフィールドでは、アマサギやジャワヘロンが見れました。




時間に余裕があるときは、ドライバーさんにお願いして、車をとめてみることをおすすめします。
移動中の注意点

途中、トイレ休憩でコンビニに寄ってくれたのですが、観光地ではなく、ローカルが暮らすエリアなので、洋式トイレでトイレットペーパーが完備されているようなところはありません。
和式トイレで紙はなく、横に桶があって水を汲んで流すタイプです。
ティッシュは持参して、使用済みのものは、備え付けのごみ箱に捨てましょう。
ちなみに、東南アジアにある和式トイレは、ドア側を向いて用を足すようです。日本のスタイルとは逆向きです。
まとめ
今回は、バリ島西部の国立公園内にあるホテルに宿泊し、野鳥観察をしてきました。
The Menjangan Monsoon Lodgeからタワーの間の林道で、カンムリシロムクやムネアカゴシキドリ、サンショウクイの小群、ヒタキなどを見ることができました。
運が良ければ、キマユシマヤイロチョウも見れるかも。事前に鳴き声を確認しておきましょう。
サファリバスでビーチまで行くと、ヒメアオカワセミも生息しています。
野鳥の数はそんなに多くありませんが、宿泊者しかいない敷地内をゆっくり散策しながら野鳥を探す、心豊かなのんびり探鳥が楽しかったです。
そして、何よりもカンムリシロムクに出会えたことが感激でした。
私は、初日の午前中3時間くらいガイドを依頼しましたが、敷地内の探鳥なので、自力探鳥は可能です。
もし、もう少し色んな種類の野鳥が見たい場合は、リゾート外に行く他のツアーを申し込むのも一つだと思います。
自然派の方には、一度は行っていただきたいバリ島の西側。
いつもと違うバリを味わってみてください。

おまけ。トッケイが、私たちの部屋の玄関先にいました。
“トッケイ”という鳴き声を7回連続聞くことができると、幸運が訪れるそうです。