海外探鳥初心者必見!シンガポールで野鳥観察 – 公園ごとに見れる鳥 – ジュロン・レイク・ガーデンズ[留鳥編]

海外で探鳥というと、ハードルが高いように思えますが、シンガポールは、世界一安全といっても過言ではないくらい治安のよい国です。公共交通機関を使って行ける、野鳥観察がしやすい公園がいくつもあります。
今回は、シンガポールの南西にある、ジュロン・レイク・ガーデンズ / Jurong Lake Gardens をご紹介します。
ツアーを使わず、海外探鳥を検討されている方や、在住者で鳥や自然に興味がある方、何か趣味やコミュニティーをお探しの方に是非見ていただきたい内容となっていますので最後までご覧ください。

ジュロン・レイク・ガーデンズとは

ジュロン・レイク・ガーデンズは、シンガポールの南西に位置し、湖を取り囲むようにデザインされた新しい国立公園です。平坦で歩きやすく、きちんと整備されているので、お散歩にも最適な気持ちのいい公園です。

90ヘクタールの面積をもち、レイクサイドガーデン、チャイニーズガーデン、ジャパニーズガーデンの3つの公園で構成されています。(チャイニーズガーデン、ジャパニーズガーデンは2024年に再オープンしました!)
ちょっと見づらいかもしれませんが、下記公園のサイトです。

公園情報はこちら


プレイグラウンドがいたるところにあるので、お子さんを連れて遊びに行くのにも適しています。チャイニーズガーデン、ジャパニーズガーデンといった庭園もありますので、景観を楽しむこともできます。


他の公園でも見れる野鳥もいますが、ジュロン・レイク・ガーデンズで見る機会が多い野鳥を、留鳥・渡鳥、見やすい時期・場所などでまとめました。今回は留鳥編です。

ジュロン・レイク・ガーデンズで見ておきたい野鳥[留鳥]

ジュロン・レイク・ガーデンズに生息する留鳥を見るなら、乾季の子育てシーズンがベストです。2月末から6月末ごろでしょうか。もちろん年間を通して見ることができますが、やはり適した時期の方が、個体数も増え露出が多いです。
ここでは、この公園でぜひ見ていただきたいと思う野鳥をいくつかピックアップしました。

1.草原・湿地帯に生息する鳥

シロハラクイナ – White-breasted Waterhen

日本では、沖縄に生息しているシロハラクイナ。本島では珍しいですよね。シンガポールでは、土鳩並みに見かけます。
ジュロン・レイク・ガーデンズでは、ホテイアオイやチャイニーズガーデンにある蓮池で蓮の花と一緒に撮ることができます。季節のない南国では、貴重な野鳥と花絡み。お勧めします!

ミナミクイナ – Slaty-breasted Rail

ミナミクイナは日本にはいないので、是非見ておきたい野鳥です。

ヒクイナ – Ruddy-breasted Crake

日本でもお馴染みのヒクイナ。臆病なのは世界共通です。あまり表に出てきませんが、じっと待っていると結構目の前まで来ることもあります。そのため、背景の綺麗な写真を撮ることも可能です。

クイナたちは、特にグラスランドのThe Lone Treeの前の湿地帯周りに集中して生息しています。経験上、雨上がりの夕方は、羽繕いや、採餌で表に出てくるところを見ることが多いです。

Grasslandsの場所はこちら

ミフウズラ – Barred Buttonquail

ウズラと似ていますが、ツル目ミフウズラ科で別種です。日本では、奄美諸島や琉球諸島に留鳥として草原や農耕地に生息しているそうです。ミフウズラも、ミナミクイナや、ヒクイナがいるエリアで見ることができます。この野鳥は、普段あまり見かけないのですが、5月から6月あたりにペアでいるところを数回見たことがあります。

マレーウオミミズク – Buffy Fish Owl

1年中いるわけではないようですが、子育てするために毎年同じエリアにやって来ます。2023年は10月、2024年は11月に戻ってきました。Heron Islandと呼ばれるエリア近くの木に営巣します。
マレーウオミミズクは、魚を捕って食べることもあるので、水辺に生息しているようです。

営巣場所はこの辺りです。

・バンケン – Lesser Coucal

犬みたいな名前のバンケンは、カッコウ科のカッコウの一種で、湿地や草地の下、草の低いところに、単独またはつがいになって生息しています。40cm近くある大きな体ですが、とても臆病で普段あまり表には出てきません。私が見たことがある場所は、Grasslands、インドトサカゲリがみれる草原、Floating Boardwalkです。
雨上がりに羽を乾かすため草むらの上に乗って羽をパタパタするときに見ることができます。

インドトサカゲリ – Red-wattled Lapwing

特徴のある鳴き声で存在は主張していますが、近づくとすぐ逃げてしまいます。この鳥が一番見やすいのは、ジュロン・レイク・ガーデンズです。

このエリアの広い草原で見かけます。

2.小鳥の水浴び場所

小鳥たちが好んで水浴びをする場所があります。よく晴れた日の午後2時過ぎから4時頃までは、気温も高く人影が少なくなります。その時間帯が、鳥たちにとっても絶好の水浴びの時間で、色んな鳥が集まって来ます。
年間を通して、水浴びの姿を見ることができますが、雨が続いて水かさが増してしまった、反対に晴れの日が続き、水が減りすぎてしまったときは残念ながら見ることはできません。

ホウコウチョウ – Orange-cheeked Waxbill
コシグロキンパラ – Javan Munia
シマキンパラ – Scaly-breasted Munia
キンパラ – Black-headed Munia
コウラウン – Red-whiskered Bulbul

水浴びが見れる場所は、Alstonia Islandから、Allotment Gardens方面に向かう細い小路を横断する、小さな水路です。

3.留鳥のカッコウたち

ジュロン・レイク・ガーデンズは、留鳥も渡鳥も含めて、様々な種類のカッコウが観察できます。

・ヒメカッコウ – Plaintive cuckoo

ピンクのお腹が綺麗な雄です。よく見られるのは、小鳥の水浴びが見れるエリアです。ちょっと範囲は広くなるので、探すコツとしては、採餌の際には低い場所に生えている植物につく毛虫を食べるので、目線を下げるといいです。採餌以外では、高いところにとまっています。繁殖時はよく鳴くので鳴き声に耳を澄ませましょう。

・アカメテリカッコウ – Little Bronze Cuckoo [Juvenile]

成鳥になると目が赤くなりますが、この個体はまだ赤くなっていません。個人的にはこのくらいが可愛くていいなと思うのですが。実は、4年間通ったこの公園でアカメテリカッコウを見たのはこの一度きり。珍しい鳥ではないですが、見つけるのは難しいです。時間に余裕がある方は、是非探して見つけてください!

・チャムネヒメカッコウ – Rusty-breasted Cuckoo [Juvenile]

チャムネヒメカッコウは、ムナオビオウギビタキの巣に托卵をします。この個体は巣立って少し経ってましたが、まだ親鳥(ムナオビオウギビタキ)に餌を食べさせてもらってました。この公園では、子育てをする姿が何度か見られています。私が見た時期は8月でした。

4.見れたらラッキーな鳥

他の公園でも見れるのですが、ジュロン・レイク・ガーデンズでは、たまに近くで見れることができる鳥達。

・カンムリオオタカ – Crested Goshawk

見れる頻度は高くないですが、見つけたときは結構低い位置にとまっていることが多い印象です。レイクサイドガーデンの、Fusion Spoonというレストラン周辺に出没する頻度が高いようです。

・クリチャゲラ – Rufous Woodpecker

赤いほっぺが可愛らしいキツツキ。個人的には、是非見ていただきたい鳥です。ペアで行動することが多いです。

・ムネアカゴシキドリ – Coppersmith Barbet

額と胸の赤が特徴とされるムネアカゴシキドリは、体長15から17cmくらいの小さなゴシキドリです。クリっとした目とフォルムが可愛い鳥です。果実を好んで食べます。木のてっぺんにとまっていたり、高いガジュマルの木の実を食べていることが多いですが、たまに低いところに降りてきます。

子育ての様子を以前当ブログでご紹介しました。是非参考にしてみてください! → ムネアカゴシキドリの子育て

シロボシオオゴシキドリ – Lineated Barbet

シロボシオオゴシキドリは、個体数が多いので比較的よく見ることができます。ムネアカゴシキドリ同様、高いところにとまっていることが多いですが、営巣が始まる3月から、雛が巣立つ4月後半頃は特に露出が多くなり、低い場所で見る機会が増えます。

子育ての様子を以前当ブログでご紹介しました。是非参考にしてみてください! → シロボシオオゴシキドリの子育て

5.ヨタカ探し

・オビロヨタカ – Large-tailed Nightjar

オビロヨタカは、年間を通して見られ、各公園に生息しています。ジュロン・レイク・ガーデンズは特に多く見られる気がします。宝探しのように、ヨタカ探しをしてみるのも面白いです。
Forest Rambleという子供たちが遊ぶ遊具がたくさんあるプレイランド内でも8羽いると地元の方に教えていただきました。

写真の個体は、レイクサイドガーデンの、南側、サザン・プロムナード辺りが縄張りです。

Forest Rambleの場所 (月曜日休業)

まとめ

その他、下記の鳥も比較的ジュロン・レイク・ガーデンズが見やすいかなという印象です。もちろん、よくいる太陽鳥や、裁縫鳥、四季鳥は比較的簡単に見ることができます。


・サトウチョウ – Blue-crowned Hanging Parrot → こちらのブログ参照してください。
・アオショウビン – White-throated Kingfisher
・タケアオゲラ – Laced Woodpecker
・ブッポウソウ – Oriental Dollarbird
・セッカ – Zitting Cisticola

大きな湖を中心に、様々な個性をもつ3つのパートで構成された交通の便の良い、美しく快適な公園、ジュロン・レイク・ガーデンズ。花や木の実が多く、四季のないシンガポールでも、月日の移り変わりが感じやすい素敵な公園です。
気軽に行けて、靴も汚れませんし、清潔なトイレや食事ができるレストランも所々あるので安心です。

バードウォッチングを始めて間もない頃、数十年ジュロン・レイク・ガーデンズに通う地元のベテランバーダーさんが公園を案内してくださいました。
野鳥の見れるポイントなどはその方からたくさん教えていただきました。そんな出会いの積み重ねで、シンガポールでの楽しい探鳥生活が続いています。

本格的に野鳥撮影をしなくても、そんなちょっとしたきっかけが、海外での生活に潤いを与えてくれることだってあるんです。是非、出かけてみましょう!



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