赤道直下の南国シンガポールには、色鮮やかでユニークな小鳥たちが生息しています。
中には、アフリカやオーストラリア原産の鳥で、ペットとして持ち込まれたいわゆる”篭脱け”が、シンガポールで繁殖して定着したなんてことも少なくありません。
それらの鳥は、どんな場所でどのように暮らしているのか、3年間観察しました。
初めてシンガポールに来る方や、バードウォッチングを始めたばかりの方は、どこに行ったらそのような鳥が見れるのか分からないですよね…

初めての場所で、野鳥を探すのは本当に大変!見当違いのところに行ってしまって、全然野鳥がいないこともしょっちゅうです。
今回は、そんな小さいながらも逞しくこの国で生きている小鳥たちを見てみたい!という方のお力になれるように、小鳥たちが住む公園を6つご紹介します。
航空券&ホテルの予約お済ですか?
海外旅行予約サイトおすすめ5選!
湿地や水辺が近くにある公園に生息する小鳥たち
外来種である、テンニンチョウやカエデチョウの仲間、ハタオリ科の鳥は、湿地帯など、水辺に近い平野や草原に生息しています。その周辺には、主食のイネ科の種子が多く茂っています。
繁殖期には、イネ科の草や竹の葉を使って、ペアでドーム状の巣を作ります。
探すポイントは、高い枝の上ではなく、地上に近い種子がある植物が多い草むらです。
公園別に、それぞれ見れる鳥の種類も交えながら解説します。
1.ジュロン レイク ガーデンズ|Jurong Lake Gardens
ジュロンレイクガーデンズは、水辺を取り囲むように作られた公園です。
多くの水鳥がこの公園に生息しており、キンパラやホウコウチョウなどが見れる頻度が高い公園です。
公共交通機関でのアクセスがよく、利便性もよいです。
ジュロン レイク ガーデンズで見れる小鳥たち
シマキンパラ|Scaly-breasted Munia

シマキンパラは、シンガポールに生息するムニアの中でも一番見つけやすい鳥です。
東南アジアには、広く生息していて、在来種とペットとして持ち込まれたものと混在しているようです。今回ご紹介する公園すべてで見ることができるでしょう。
公園に行かなくても、例えば駅の隣の草原にもいたりします。
コシグロキンパラ|Javan Munia

コシグロキンパラの、”Javan”は、ジャワ島という意味です。
本来、インドネシアに生息する鳥でしたが、シンガポールやマレーシアにも持ち込まれました。
シンガポールでは、コシグロキンパラの個体数は割と多く、特にジュロン レイク ガーデンズでよく見かけます。
Gardenhouseの周りや水場がポイントです。
キンパラ|Chestnut Munia(Black-headed Munia)

キンパラは、東南アジア原産の鳥で、シマキンパラ同様、シンガポールでは、在来種と外来種が混在しています。
キンパラは、個体数は多くないですが、特定の場所に行くと見ることができます。
ジュロン レイク ガーデンズでは、水場でよく見ます。
ホウコウチョウ|Orange-cheeked Waxbill

ホウコウチョウは、西アフリカと中央アフリカに生息する鳥です。
シンガポールでは、外来種です。
ホウコウチョウは、この白い花を咲かすオモダカの種子が好きで、食べている姿を何度か見かけました。この花は、午後には閉じてしまうので、午前中に見つけられれば、お花コラボが撮れますよ。
水場にもよく来ます。
ジュロンレイクガーデンズの中でも、よく見れる場所はこちらです。
こちらの記事で、小鳥の水場を紹介していますので参考にしてください。
ジュロン レイク ガーデンズへのアクセス
MRT : East-West Line(EW)
Chinese Garden(EW25)駅またはLakeside(EW26)駅で下車
小鳥たちが多く生息する場所へは、Chinese Garden駅のほうが比較的近いです。
2.ロロン ハルス湿地|Lorong Halus Wetland
ロロン ハルス湿地では、キンパラやカエデチョウ、ホウコウチョウも見ることができます。
このエリアの特徴として、多くのハタオリドリが生息しています。
水上の浮島にコロニーを作り、3月末頃から8月くらいまでが繁殖期となります。
繁殖期以外は、身を潜めているので、あまり姿を見せません。
ロロン ハルス湿地で見れるハタオリドリ
ズグロキゴロモハタオリ|Golden-backed Weaver


コロニーのそばで水浴びもします。
こちらの記事で、ズグロキゴロモハタオリの巣作りの様子と場所が確認できます。
ロロン ハルス湿地へのアクセス
MRT : North-East Line(NE)
Punggol(NE17)駅でLRTに乗り換え。Kadaloor駅で下車。
徒歩1kmほどで到着。
コロニーの場所は、コニーアイランドへ行くパーク コネクターの途中にあります。
3.タンパニース エコ グリーン|Tampines Eco Green

タンパニース エコ グリーンは、少しユニークな公園です。
自然回帰の精神に則り、園内には照明がなかったり、トイレがコンポスト式だったり。
そんな、エコな公園でいちばんよく見られるのは、キムネコウヨウジャクというハタオリドリです。
ハタオリドリの繁殖時期は、3月末から4月初旬頃から始まります。
繁殖の時期のオスは、金色の羽毛と濃い茶色の顔になります。
非繁殖期のオスはメス同様、地味な砂茶色をしていて、露出が減ります。
タンパニース エコ グリーンで見れる小鳥たち
キムネコウヨウジャク|Baya Weaver

キムネコウヨウジャクは、東南アジアやインドまでと広範囲に生息し、シンガポールでは、在来種です。
キムネコウヨウジャクの求愛行動は、巣を作ることです。
メスは、巣作りの上手なオスを選んで交尾をします。
社会性があり、群居性です。たくさんの巣が木からぶら下がっています。

キムネコウヨウジャクの巣
YouTubeでキムネコウヨウジャクの巣作りの様子が見れます。
キンイロコウヨウジャク|Asian Golden Weaver

キンイロコウヨウジャクは、東南アジア本土とスマトラ島原産で、シンガポールには、ペットとして持ち込まれました。
この鳥を見るには、タンパニース エコ グリーンが一番見つけるチャンスがあります。
フレッシュウォーター ポンドの周りに咲いている黄色い花の咲くマメ科の植物によくとまります。
タンパニース エコ グリーンへのアクセス
MRT : Downtown Line(DT32)/East -West Line(EW2)
Tampines駅
徒歩で20分くらいの場所にあります。
4.チャンギ ベイ ポイント|Changi Bay Point
チャンギ ベイ ポイント周辺では、他ではあまり見ることのできない、キンランチョウやテンニンチョウが生息しています。
それらの小鳥の繁殖期は、4-7月くらいまでです。
このころはメスへの求愛や、縄張り争い、若い個体の成長過程で鳥の露出が多くなります。
繁殖期のキンランチョウやテンニンチョウのオスは、見た目がかなり変わります。
非繁殖期は、オス、メス、若い個体は地味な羽色になり、草むらに隠れて見つけにくくなります。
チャンギ ベイ ポイントで見れる小鳥たち
テンニンチョウ|Pin-tailed Whydah



テンニンチョウは、アフリカ原産の鳥です。
シンガポールでは、少しずつ個体数が増えているようです。
繁殖期のテンニンチョウのオスは、尾羽が長くなり、ひらひらと飛びながらメスの前で求愛ダンスをします。それはとても美しい光景です。
キンランチョウ|Northern Red Bishop


チャンギ ベイ ポイントでは、2種類のキンランチョウが生息しています。
この、キタキンランチョウは、毎年見れるわけではなさそうです。
2024年は、その一帯を縄張りにしていましたが、翌年は見られなかったようです。
2種類のキンランチョウ共に、アフリカ原産の鳥です。
ムナグロキンランチョウ|Zanzibar Red Bishop

ムナグロキンランチョウ|Zanzibar Red Bishop♂

ムナグロキンランチョウは、毎年8月くらいまで観察されています。
キンランチョウとの違いは、胸が真っ黒なのと、羽の色がややオレンジがかっています。
オナガカエデチョウ|Common Waxbill

オナガカエデチョウは、アフリカ原産の鳥です。
シンガポールでは、個体数は多く、他の場所でも見ることができますが、チャンギ ベイ ポイント周辺は、特によく目にすることができます。

巣作りの様子
チャンギ ベイ ポイントへのアクセス
MRT : East -West Line(EW)
Bedok(EW5)駅から35番のバスに乗り、Bef Changi Coast Rdで下車。
Changi Bay Public Toiletを目指します。徒歩約20分。
小鳥たちが多く見られるのは、トイレから貿易センターの裏手までの広い範囲です。チャンギ ベイ ポイントは、とにかく遠いので、お時間の余裕があるときに行くか、Grabを使いましょう。
チャンギ ベイ ポイントエリアには、トイレに自動販売機があるだけです。問題なければ、水分は確保できますし、シンガポールの水道水は飲めるので、最悪の事態は避けれますが、念のため、軽食や、余分に飲み物を持って行くことをおすすめします。
5.ガーデン バイ ザ ベイ ベイ イースト|Garden by the Bay Bay East
ガーデン バイ ザ ベイでも見れるのですが、観光客が多いので、おすすめは人の少ないベイ イーストの方です。
ここでは、キンパラやヘキチョウが見られます。
ガーデン バイ ザ ベイ ベイ イーストへのアクセス
MRT : Thomson East Coast Line(TEL)
Gardens By The Bay(TE22)駅下車
木の実を食べる小さな鳥 ハナドリ|Flowerpecker
シンガポールでは、ハナドリと言って、木の実を食べる小さな愛くるしい鳥がいます。
そのサイズは9cmと、日本最小の鳥と言われる、ミソサザイやキクイタダキよりも小さいです。
ハナドリは、シンガポールの在来種です。
果実が好きで、特に野牡丹の熟した果実、マルベリー(桑の実)を好んで食べます。
代表的な2種のハナドリが見れる場所をご紹介します。
セアカハナドリ|Scarlet-backed Flowerpecker

セアカハナドリ|Scarlet-backed Flowerpecker♂
セアカハナドリは、都市部でもよく見れる小鳥です。
野牡丹の実がなっている場所を見つけたら、注意深く観察してみましょう。
オス、メスが交互にやってくる可能性があります。
オレンジハナドリ|Orange-belied Flowerpecker

オレンジハナドリ|Orange-belied Flowerpecker♂

ハナドリはマルベリーが好き
オレンジハナドリは、森に近い場所に生息しています。
都市部周辺で見れるとしたら、ボタニックガーデンですが、頻度は多くありません。
6.デイリー ファーム ネイチャー パーク|Dairy Farm Nature Park

デイリー ファーム ネイチャー パークには、ハナドリが必ずやって来るポイントが2か所あります。
一つは、ルリカワセミが見れる小さな池の脇にある、小さな実がなる木です。
その木に赤い実がなっていれば、それを食べに来ます。
セアカハナドリの方がよく来ます。
もう一つは、Wallace Education Centreを越えて坂を上りきったら、右方向に進み、ウォーレンストレイルの階段を下りてしばらく進んだところです。
この辺りは、マルベリーの木がたくさん植わっていて、色んな野鳥が集まる場所です。
そこにオレンジハナドリもやって来ます。
デイリー ファーム ネイチャー パークへのアクセス
MRT : Downtown Line(DT)
Hillview(DT3)駅下車
バス : 最寄りは、Dairy Farm MallかOpp Dairy Farm Mall
そこから歩いてトレイルに入っていきます。
まとめ
日本では見ることのできない、彩り豊かな可憐な小鳥たち。
小さすぎて見つけるのも大変ですが、生息場所が特定できたり、鳥の特性が分かれば少し探しやすくなるのではと思い、場所や時期を詳細に記載しました。
せっかくシンガポールに来たのだから、日本では見れない野鳥をたくさん見てみたいですよね。
今回ピックアップした内容が、価値のあるものになれば幸いです。
シンガポールはとても暑く、野鳥が住むエリアは、日差しを遮るものがなかったりと体力を消耗します。十分な日焼け対策と、熱中症にならないように、塩分、水分補給にはお気を付けくださいね。

たくさんの小鳥に会えることを願って!
楽しい旅を~

シンガポールの野鳥図鑑 コンパクトで使いやすい。
これ、結構使える!
軽くて容量もちょうどいい!さすが日本製。
シンガポールは年中真夏ラムネが溶けなくていい。
女子旅にぴったり ことりっぷ